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腎臓内科、人工透析内科、一般内科
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コラム

夏に増える痛風

【痛風とは】
尿酸が過剰に産生されたり、排泄が低下したりすることによって血液中の尿 酸濃度が高くなる(高尿酸血症)と、尿酸塩結晶となります。それが関節に沈 着することで痛風が起こります。 痛風は下肢の関節に起こりやすく、突然始まる強烈な痛み、腫れ・発赤・局 所熱感を伴う激しい炎症が特徴です。 中高年に多い病気と思われがちですが、近年では40歳以下の若い世代の発 症が多い傾向にあります。痛風の背景には、過食や過飲、食生活の欧米化、運 動不足といった生活習慣が関係しており、生活習慣病に関連の深い病気です。

【なぜ痛風は夏に増えるのか】
痛風の原因となる尿酸は、発汗などからだの中の水分が奪われることで濃度 が上がります。そのため、暑さが増す夏は尿酸値が上がりやすい季節といわれ ています。

【痛風を予防しましょう!】
①肥満は危険因子! 高尿酸血症の患者さんでは、肥満やメタボリックシンドロー ムの人が多くみられます。また、肥満気味で尿酸値が高い方が 減量をすると尿酸値は低くなる傾向にあります。尿酸値が高め で肥満傾向の方は、まずは減量に努めましょう。

②水を飲んで尿をしっかり出しましょう! 尿酸の排泄低下の予防として、水分を多く摂り尿量を増や すことが大切です。尿とともに尿酸が排泄されやすくなるた め、腎機能が低下している人でなければ、毎日 1.5L を目安に 十分な量の水分を摂り、尿をしっかり出しましょう。高カロ リーの清涼飲料は肥満の原因にもなるので、できれば水かお 茶を飲むようにすると良いです。

⓷尿をアルカリ化する食品を摂りましょう! 高尿酸血症に酸性尿が加わることで尿酸結晶となり、 痛風発作を引き起こしやすくなります。一方、尿酸はア ルカリ性の水分によく溶けるので、野菜・海藻類などの アルカリ性食品を十分に摂取することで尿をアルカリ性 に保ち、血中の尿酸を低く抑えることができます。

④食事でプリン体を摂りすぎない! 高尿酸血症や痛風の患者さんの多くは、食事から摂るエネルギー量が多い傾 向にあります。毎日の食事量や内容を見直し、腹八分目を心がけることが必要 です。レバーや魚の干物などにはプリン体が多く含まれています。プリン体は 分解されると尿酸がつくられるため、これらの食品を大量に摂取したり、頻繁 に食べ過ぎたりしないように心がけましょう、

⑤アルコールを飲み過ぎない! プリン体は食事以外にも、アルコールによって体の中でつくられます。 お酒の種類に関係なく、アルコールが肝臓で分解される時に大量にエネルギ ーが使われ、プリン体が多くなります。また、アルコールは腎臓からの尿酸の 排出を妨げる作用があります。

⑥有酸素運動をしましょう! 適度な運動は、高尿酸結晶の改善に役立つだけでなく、肥 満の解消にもつながります。ただし、酸素の供給が不足する ような筋力トレーニングでは、エネルギーをつくるサイクル が作動しにくくなり、尿酸値にも悪影響を与えてしまいま す。そのため、ウォーキングなど酸素を十分に取り入れなが らからだを動かす有酸素運動がよいです。

⑦ストレスと上手に付き合いましょう! 過度のストレスは尿酸値を上昇させます。自分なりのリラックス方法を見つ けて心も体も適度な休養をとるようにしましょう。